
「抹茶」と聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべますか?
鮮やかな緑、ほろ苦さ、小さな茶室、和の心…。けれど今、世界中の人々がこの日本の伝統飲料に夢中になっているのをご存知でしょうか?
コーヒーや紅茶が主役だった海外のカフェ文化に、静かに、でも確実に“抹茶旋風”が巻き起こっています。
そこで、今回の記事では、海外の抹茶ファンが語る「初めての抹茶体験」や、なぜ彼らがコーヒーや紅茶から抹茶へと心を移したのか、そのリアルな理由をお届けいたします。
あなたもきっと、読み終わる頃には一服の抹茶が飲みたくなるはずです。
なぜ「抹茶」が世界で愛されるようになったのか?~海外ファンの視点から~
1. 初めての抹茶体験:「苦い」から「癒し」へ

10年ほど前、抹茶はまだ海外では「苦い」「渋い」と敬遠されがちでした。しかし、対照的に、抹茶アイスや抹茶スイーツなどのお菓子は「美味しい!」と大好評。
アメリカやフランスなど、コーヒー文化が根付く国の人々にとって、抹茶の最初の印象は決して甘いものではありませんでした。
それでも「一服の抹茶」を体験した人たちは、「最初は驚きだったけれど、次第にその香りや旨味、飲んだ後のリラックス感に魅了された」と語ります。
イギリスの紅茶愛好家は「抹茶はただのお茶ではなく、心を整える儀式のよう」と表現し、中華圏の方は「ウーロン茶とは違う、深い旨味に感動した」とコメントしています。
2. コーヒーや紅茶の代わりに選ばれる理由

- 健康志向の高まり
抹茶はカフェインを含みつつも、テアニンなどリラックス効果のある成分が豊富。
「コーヒーのような強い刺激ではなく、穏やかに気分を上げてくれる」と海外の抹茶ファンは語ります。 - 多彩な楽しみ方
アイス、ラテ、スムージー、さらには料理やスイーツにも幅広く使えるのが抹茶の魅力。
アメリカのカフェでは「抹茶ラテ」が定番メニューとなり、フランスでは上手に抹茶を使って自慢の菓子を仕上げたパティスリーが人気を集めています。 - 日本文化への憧れ
「抹茶を飲むことで、日本の伝統や美意識に触れられる」と感じる人も多く、産地や製法、煎茶や玉露との違いを熱心に学ぶ海外ファンも増えているようです。
3. 抹茶を日常に取り入れる海外ファンのリアルな声


- 「朝のコーヒーの代わりに抹茶ラテを飲むようになってから、不思議と心が落ち着くようになった」(アメリカ・カフェ店員)
- 「抹茶パウダーを使って自家製のスイーツを作るのが週末の楽しみ」(フランス・パティシエ)
- 「仕事の合間に一服、抹茶を点てることでリフレッシュできる」(イギリス・デザイナー)
皆さま、なかなか贅沢な抹茶ライフをお過ごしのようです。
抹茶アイスが海外で人気を博した背景


昨今の「抹茶ブーム」を起こした要因として、もう一つ紹介すべきもの…それは「抹茶アイス」です。抹茶アイスが海外で人気を博した背景には、いくつかの大きな要因があります。
- 健康志向とスーパーフードブーム
抹茶は抗酸化作用やカフェインによるリラックス効果など健康面でのメリットが注目され、「スーパーフード」としての位置づけが強まりました。特にアメリカやヨーロッパでは健康志向の高まりとともに、抹茶を使った幾種ものスイーツが「ヘルシーで独特な風味のデザート」として支持を集めています。
- 独特の味わいと食感
抹茶のほろ苦さとアイスクリームのクリーミーさが融合することで、甘さ控えめで上品な味わいが生まれ、従来のバニラやチョコレートとは異なる、新鮮な体験を提供しています。
- SNS映えするビジュアル
抹茶アイスの鮮やかな緑色は視覚的なインパクトが強く、InstagramやTikTokなどSNSで拡散されやすいことも人気急増の大きな要因です。インフルエンサーによる投稿が需要を後押しし、特に若い世代を中心にブームとなっています。
- 日本文化・和食ブームとの相乗効果
世界的な和食ブームや日本文化への関心の高まりと共に「日本らしさ」を感じられる抹茶アイスは、訪日外国人や現地のカフェでも人気のメニューとなっています。中でも、抹茶の濃さを選べるアイスクリームのお店では、きまって「一番濃いもの」をオーダーされる外国人観光客が多いのだとか。
- 日本企業の積極的な展開と現地化
1990年代からアメリカなどで日本企業が本格的な抹茶アイスを開発・販売し、現地の嗜好に合わせた味づくりやマーケティングを行ったことも、定着の背景にあります。
これらの要素が複合的に作用し、抹茶アイスは世界各地で「健康的でおしゃれ、しかも本格的な日本の味」として受け入れられ、人気を拡大しているのです。
「抹茶」は産地によって味が変わる

ところで、抹茶は、産地によって味が明確に異なることをご存知でしょうか。以下に代表的な産地ごとの特徴を書き記させていただきました。ご参考になれば幸いです。
- 京都・宇治(宇治茶)
宇治茶は日本三大銘茶の一つで、抹茶の中でも特に有名です。色はやや薄い黄緑色で、最初にほんのり渋みを感じ、その後にまろやかな甘みやコクが広がります。奥深い味わいが特徴で、じっくり味わいたい方におすすめです。
- 愛知・西尾(西尾茶)
西尾の抹茶は濃厚なコクと甘み、旨みが強く、色も深みのある緑色をしています。香りも強く、クセが少ないためスイーツにもよく合います。大人の味わいとして人気があります。
- 静岡(静岡茶)
抹茶初心者や子どもにもおすすめの産地で、味わいはマイルドで甘みが強いのが特徴です。苦味が少なく、抹茶の苦味が苦手な方でも楽しみやすいです。
- 京都・和束町(和束茶)
宇治茶の一部で、渋みが少なくあっさりとした飲み口。被覆栽培による独特の「覆い香」(海苔のような香り)が楽しめます。
これらの違いは、土壌や気候、栽培方法、収穫の仕方、製造工程の細かな違いによるものです。例えば、宇治の昼夜の気温差や土壌の酸性度が旨味や香気を高めています。また、収穫方法(手摘みか機械摘みか)や抹茶を挽く臼の質によっても味が変わることがあります。
このように、産地ごとの特徴を知ることで、自分の好みに合った抹茶を選びやすくなり、抹茶の味わいの幅広さをより楽しめます。
抹茶を飲む際の適切なお湯の温度

抹茶を美味しく飲むためには、お湯の温度と点て方がとても重要です。
適切なお湯の温度は、点てる時と飲む時でも違う
- 点てる時の温度:70〜80℃が最適です。
この温度帯は抹茶の香りや旨味を引き出しつつ、苦味や渋味が出すぎるのを防ぎます。 - 飲む時の温度:60〜70℃程度が美味しく飲める温度です。
熱すぎると苦味が強くなり、温度が低すぎると香りや泡立ちが弱くなります。
ポイント:沸騰したてのお湯は使わず、少し冷ましてから使うのがコツです。
抹茶を点てる際のポイント

抹茶を点てる際のポイントは以下の通りです。

- 抹茶をふるう(篩にかける)
抹茶の粉を茶こしなどで篩にかけておくと、ダマができにくくなり、なめらかに点てやすくなります。
- 茶碗と茶筅を温める
抹茶茶碗にお湯を入れて温め、同時に茶筅もお湯に浸して柔らかくします。これにより茶筅がしなやかになり、点てやすくなります。
- 抹茶の量とお湯の温度・量
抹茶は茶杓2杯(約1.5〜2g)が一般的。お湯の温度は70〜80℃が適切で、量は60〜80cc程度が目安です。季節により温度を調整すると良いです。
- 抹茶の練り(少量の水でダマをつぶす)
抹茶に少量の水を入れて茶筅で練り、ダマをしっかりつぶしてからお湯を注ぐと、滑らかで均一な仕上がりになります。
- 茶筅の使い方
茶筅は垂直に立て、底につけすぎないようにしながら、手首のスナップを使って「M」や「W」の字を描くように素早く前後に動かします。泡が細かく立ち、クリーミーな泡ができたら完成です。
- 泡の仕上げ
泡が立ったら茶筅の先を泡の表面までゆっくり上げ、泡を細かく整え、中央に泡が盛り上がるように静かに茶筅を引き上げます。
- 水の選び方
軟水の天然水を使うのが望ましく、水道水の場合はカルキ臭を抜くために一旦沸騰させるのがポイントです。
上記のポイントを押さえると、初心者でも、本格的な抹茶を美味しく点てることができます。特に「抹茶をふるう」「茶碗と茶筅を温める」「茶筅の動かし方」が味と泡立ちの決め手になりますので、ぜひお時間のある際には、自宅でゆったりと抹茶点てを楽しんでみてください。
マグカップで抹茶を楽しむ方法は

上記のような方法で抹茶を楽しむのは、ちょっと難しい、とお感じの方でも気軽に抹茶を味わえる方法があります。その方法とは、先の章でも軽く触れましたが「普段お使いのマグカップ」で抹茶を楽しむ方法です。
マグカップで抹茶を楽しむ方法はとても簡単で、茶筅や茶碗がなくても手軽に美味しく味わえます。
マグカップで楽しむ「マグ抹茶」の作り方

- 用意するもの
- 抹茶:小さじ1/4(約0.5g)
- お湯:200ml(80〜90℃がベスト)
- マグカップ
- スプーン
- 抹茶を練る
マグカップに抹茶を入れ、お湯を数滴注ぎます。スプーンでよく練ってダマをなくします。
- お湯を注ぐ
残りのお湯を注ぎ、再度スプーンでよくかき混ぜて完成です。
ポイント
- お湯の温度は、通常の抹茶を点てる時と同様、沸騰直後から少し冷ました80〜90℃がおすすめです。熱すぎると苦味が強くなることがあります。
- 抹茶の量は茶道で使う分量より薄めでOK。マグカップ1杯に小さじ1/4程度で十分美味しく飲めます。
- アイス抹茶にしたい場合は、濃いめに作ってから氷を入れるとダマになりにくいです。
- 茶筅がなくても、スプーンや小さな泡立て器で混ぜるだけで楽しめます。
マグカップとスプーンさえあれば、いつでもどこでも気軽に抹茶を楽しめます。
茶道の道具がなくても、昔の日本では、お湯に溶かすだけで抹茶を味わっていた、という史実もありました。この方法なら、現代の忙しい生活にもぴったりですね。
ぜひ「マグ抹茶」で日本の抹茶文化をカジュアルに楽しんでみてください。
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抹茶は、ただのブレイクタイム用の「飲み物」ではありません。一服ごとに心が整い、日常に小さな癒しをもたらしてくれる―そんな特別な存在です。
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