こんにちは。日本川原番! 花散里です。もうすぐ、2024年が終わり、新たな年-2025年がやってきますね。皆さんの出身国または地域では、どのような年末年始を迎えますか?
日本では、一般的な家庭では年越し前に家の大掃除を行った後、正月を迎えるための飾りつけを行うのと並行して、正月には欠かせない「おせち料理」を作る、又は購入するなどして準備を整え、大晦日(31日)には年越しそばをいただいて、静かに年の瀬を迎えます。
ただ、日本以外の国の方々には「『おせち料理』って何?」「何でわざわざ『おせち料理』なるものを用意するの?」など、分からないことも多いのでは…と思います。
そこで、今回は特に日本の「おせち料理」の歴史や由来について、その起源や発展の過程、そして各料理に込められた意味をご理解いただきたく、詳しく解説致します。
おせち料理の起源と歴史
1. 起源:弥生時代
おせち料理の原型は弥生時代(紀元前10世紀頃~紀元後3世紀中頃)にはできていたと言われています。中国から稲作が伝わり、収穫物を神様に感謝する風習が生まれました。この収穫感謝の儀式が「節供(せちく)」と呼ばれ、これが後のおせち料理の原型となりました。
2. 平安時代:宮中行事としての発展
奈良時代から平安時代(紀元後710年~1185年)にかけて、「節供」は宮中行事として定着しました。特に平安時代には、1月1日(元日)や5月5日(端午)などの「五節会(ごせちえ)」と呼ばれる重要な節目の日に、神様への供物として「御節供(おせちく)」が用意されました。ちなみに、この時期の料理は、重箱ではなく器に高く盛られていました。(器に高く盛る形式は、今ですと、皇室や各神社の行事などで拝見することができます)
3. 江戸時代:庶民への普及
江戸時代(1603年~1868年)になると、幕府が「五節句」(ごせっく) を公式な祝日として制定しました。この影響で、宮中行事だった「御節供」が庶民にも広まりました。特に正月が最も重要な節句とされ、正月料理として「おせち」が定着しました。この頃から、食材ごとに縁起の良い意味が込められるようになり、現在のような形が整い始めました。
4. 明治時代以降:重箱文化の定着
江戸時代末期(1853年~1868年)から明治時代(~1912年)にかけて、おせち料理は重箱に詰められるようになりました。重箱には「めでたさを重ねる」という意味が込められており、料理の保存性や見た目の華やかさも重視されました。
5. 現代:多様化するおせち
戦後になると、「おせち」という呼び名が広まり、家庭で作るだけでなく、デパートや通販で購入できるようになりました。各家庭の多様化もあいまって、料理も和洋折衷や少人数向けなど、現代のライフスタイルに合わせた多種多彩ななおせちが登場しています。
代表的なおせち料理と、料理に込められた意味
おせち料理には、それぞれの料理に縁起の良い意味が込められています。以下は代表的な料理とその意味です。
- 黒豆:「まめに働く」「健康で勤勉に」という願い。
- 数の子:子孫繁栄を象徴。
- 田作り(ごまめ):五穀豊穣や商売繁盛を祈願。
- 紅白かまぼこ: 紅は魔除け、白は清浄を表し、祝いの象徴。
- 伊達巻:巻物に似た形から、学問や文化の発展を願う。
- 栗きんとん:黄金色から金運上昇を祈る。
- エビ:腰が曲がるまで長生きすることを象徴。
- 鯛:「めでたい」に通じる縁起物。
- 紅白なます:祝い事に用いる紅白の水引にあやかる。平安と平和を願う縁起物。
おせち料理の作り方とポイント
おせち料理は、日持ちするように工夫されており、年末に準備を済ませるのが一般的です。以下に、いくつかの定番料理の作り方と、そのポイントを紹介しますので、チャレンジしてみたい方は参考になさってください。
黒豆
材料(4人分)
- 黒豆:300g
- 水:黒豆の5~6倍量
- 砂糖:150~200g
- 醤油:大さじ2
- 鹽:少々
作り方:
- 黒豆を洗い、水に6時間以上浸けます(市販の蒸し黒豆を使用すると時間が短縮できます。
- 鍋に黒豆、砂糖、醤油、みりんを入れ、弱火で20分ほど煮ます。
- 沸騰後、弱火にして2~3時間煮ます。常に煮汁が豆に浸かって染み込むよう、水を足すことと、落し蓋を使用するのがポイント。
- ポイント: 甘く煮る際、煮汁から豆が出ないように落し蓋を使うと、シワの寄らない美しい仕上がりになります。
栗きんとん
材料(4人分)
- さつまいも:300g
- 栗の甘露煮:適量
- 砂糖:大さじ3~4
- みりん:大さじ1
- くちなしの実:1個
作り方:
- さつまいもの皮を厚めにむき、水にさらしてアク抜きします。
- 鍋にさつまいも、くちなしの実、水を入れて柔らかくなるまで煮ます。
- さつまいもを裏ごしし、砂糖とみりんで甘く煮ます。
- 栗の甘露煮を加えて、完成です。
- ポイント:さつまいもの皮を厚めに剥き、くちなしの実を使用することで綺麗な黄金色に仕上がります。
伊達巻
材料(4人分)
- 卵:5個
- はんぺん:100g
- 砂糖:大さじ3
- みりん:大さじ1
- 醤油:小さじ1
作り方:
- 材料を混ぜる
はんぺんを適当な大きさに切り、卵、砂糖、みりん、薄口醤油と一緒にフードプロセッサーで滑らかになるまで混ぜます。 - 焼く
卵焼き器やオーブン対応の型に油を薄く塗り、生地を流し入れます。弱火でじっくり焼くか、オーブン(180℃)で約20~25分焼きます。 - 巻く
焼き上がったら熱いうちに巻きすで巻き、形を整えます。冷めたら完成です。
- ポイント:オーブンを使うと均一に焼け、巻きすで形を整える際は粗熱が取れるまで触らないようにするのがコツです。
紅白なます
材料(4人分)
- 大根:200g
- にんじん:50g
- 鹽:小さじ1/2
- 酢:大さじ3
- 砂糖:大さじ2
作り方:
- 野菜の下ごしらえ
大根とにんじんの皮をむき、繊維に沿って細い千切りにします。塩を振って軽く揉み、10分ほど置いて水気を絞ります。 - 調味料を合わせる
酢と砂糖を混ぜ合わせ、下ごしらえした野菜に加えてよく和えます。 - 味をなじませる
冷蔵庫に少し置いて、味をなじませたら完成です。
- ポイント:大根と人参を薄く切り、三杯酢で和えるだけで簡単に作れます。冷やすと味がなじみやすくなります。
「おせち料理」を深く知るためには
- 歴史を理解する
おせち料理の起源や発展の過程を知ることで、なぜ正月に食べるのか、その背景が見えてきます。弥生時代の「節供」から平安時代の宮中行事、江戸時代の庶民文化へどのように広がったか、学んでみるのも良いと思います。 - 料理の意味を知る
各料理に込められた願いや意味を調べることで、おせち料理が持つ奥深さを感じられると、より正月を過ごすのが楽しくなるでしょう。 - 実際に作ってみる
黒豆や栗きんとんなど、材料が手に入りやすい基本的な料理を手作りすることで、伝統料理の文化を体感できます。還、保存性を考慮した調理の方法も学べます。 - 地域や家庭の違いを調べる
實際上、おせち料理は地域や家庭によって、内容が多少異なります。自分のお住まいの地域特有の料理や風習を調べるのも面白いと思います。
まとめとして
おせち料理は、単なる正月の料理ではなく、日本の歴史や文化、引いては家族の絆を象徴する大切なものです。料理に込められた意味とその背景を知ることで、より深く正月を楽しむことができるでしょう。
それでは、ご縁があって日本で年を越される各国の皆さまへ、親愛を込めてー
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