🛂 クイックファクト:日本の再入国許可
- 日本の在留資格を持つ外国人が出国してから再入国するための制度。みなし再入国(無料)と通常再入国(有料)の2種類がある
- みなし再入国許可:出国から1年以内の再入国なら申請不要・手数料ゼロ。空港出国時にチェックボックスにマークするだけ
- 通常の再入国許可:1年超の海外滞在に必要。手数料3,000円(一回限り)または6,000円(数次)
- 2025年の在留外国人数は約376万人で過去最高。再入国許可の利用件数も増加中(出入国在留管理庁)
- みなし再入国の有効期間内に戻れない場合、在留資格を失うため絶対に期限を過ぎないこと
はじめに:あなたが日本から一時帰国する前に確認すべきこと
あなたが日本で就労ビザや留学ビザを持っているとして、お盆や旧正月に母国へ帰省する場合、何の手続きもなしに帰れると思っていませんか?実は日本の在留資格を持つ外国人が一度日本を出ると、原則として在留資格は失効します。これを失わずに帰ってこられるようにする制度が「再入国許可」です。
2012年の制度改正で「みなし再入国許可」が導入され、1年以内の出国なら手続きが大幅に簡素化されました。しかし、ここが意外と見落としがちなポイントです。みなし再入国の有効期限を1日でも過ぎると在留資格が失われ、再びビザを取り直す必要が出てきます。在留期限と再入国期限のどちらが先に来るかも要注意です。
この記事では、訪日就労者・留学生・家族滞在者・永住者など、すべての在留外国人に役立つ「日本の再入国許可制度」を、申請方法・期限の数え方・延長の手続きまで含めて分かりやすく解説します。
📊 数字で見る日本の在留外国人と再入国の現状
出入国在留管理庁の統計によれば、2025年6月末時点の在留外国人は376万8,977人と過去最多を更新し、永住者・技術人文知識・国際業務・特定技能の在留資格保有者を中心に、毎年100万人以上が再入国を伴う出帰国を経験しています。みなし再入国の制度は2012年7月9日の入管法改正で導入され、外国人の煩雑な手続き負担を大幅に減らしました。
みなし再入国と通常の再入国:どう違う?
| 項目 | みなし再入国許可 | 通常の再入国許可(一回) | 通常の再入国許可(数次) |
|---|---|---|---|
| 手数料 | 無料 | 3,000円 | 6,000円 |
| 有効期限 | 1年(在留期限が先なら在留期限まで) | 最大5年 | 最大5年 |
| 出国回数 | 何度でも(期間内) | 1回のみ | 何度でも |
| 海外延長 | 不可(1年超で資格喪失) | 在外公館で1年延長可 | 在外公館で1年延長可 |
| 手続き | 出国時にED出国カードでチェック | 事前に入管で申請 | 事前に入管で申請 |
| 必要書類 | 在留カード+パスポート | 申請書・在留カード・パスポート・収入印紙 | 同左 |
あなたがもし1年以内に確実に戻ってこられるなら、みなし再入国で十分です。ただし、長期出張・留学先のセメスター延長・家族の介護など、不確定要素がある場合は通常の再入国許可(数次)を取得しておくと、海外で延長手続きまで可能になり安心です。
みなし再入国の手続き:空港でやることは1つだけ
STEP 1:在留カードを持って空港に行く
みなし再入国を使うには、空港の出国手続きで「在留カード(Residence Card)」を必ず持参してください。家に置いてきてしまうと再入国手続き自体ができません。短期滞在ビザの方は対象外ですので注意しましょう。
STEP 2:ED出国カードでチェック
出国の際にCIQ(税関・出入国・検疫)で渡される「再入国出国記録(ED Card)」に「みなし再入国許可による出国を希望します」のチェックボックスがあります。ここに必ずチェックを入れてください。チェックを忘れると「日本を放棄して出国した」と扱われ、在留資格が失われます。
STEP 3:パスポートに在留カードを揃えて提示
入国審査官にパスポートと在留カード両方を提示します。職員が在留カードのオモテ面と、出国カードのチェック欄を確認し、「Special Re-entry Permit」のスタンプを押せば手続き完了です。所要時間は5分以内です。
通常の再入国許可:申請方法と必要書類
申請場所
住居地を管轄する地方出入国在留管理局(東京なら品川、大阪なら咲洲、名古屋なら名古屋本局など)で申請します。即日交付されるため郵送は不可。窓口の混雑期(3月~4月、9月)は朝一に行くのがおすすめです。
必要書類
① 再入国許可申請書(入管HPからDL可)
② 在留カード+パスポート(コピー不可・原本提示)
③ 収入印紙(一回3,000円/数次6,000円)
④ 在留資格を証明する書類(基本的に在留カードがあれば追加不要)
収入印紙の購入方法
収入印紙は入管庁敷地内の売店、または郵便局で購入できます。クレジットカード払いは不可ですので、現金を準備しておきましょう。最近はキャッシュレス収納(Pay-easy)に対応する局も増えていますが、確実なのは現金です。
有効期限の数え方:あなたの在留カードと出国日のどちらが先?
⚠️ 重要:みなし再入国の有効期限ルール
- 原則:出国日から1年以内
- ただし、在留期限が出国日から1年以内に来るときは、在留期限がみなし再入国の期限となる
- つまり「出国日から1年」と「在留期限」のどちらか早い方が期限
- 1日でもオーバーすると、空港で再入国を拒否され、自動的にビザが失効する
例:在留期限が2026年8月15日のあなたが2025年9月1日に出国した場合、みなし再入国の期限は「出国から1年(2026年9月1日)」と「在留期限(2026年8月15日)」のうち早い方、つまり2026年8月15日になります。この場合、8月14日までに帰国+8月15日までに在留期間更新の申請が必須です。
みなし再入国 vs 通常の再入国:あなたの選び方
🤔 あなたに合うのはどちら?
- 出国から1年以内に確実に戻る
- 短期の旅行・帰省・出張
- 在留期限まで余裕がある
- 手続き料を払いたくない
- 1年を超える可能性のある滞在
- 留学先の学期延長の可能性
- 母国での介護・育児の可能性
- 海外で延長手続きをしたい
長期出張や海外赴任を伴う場合は、通常の数次再入国許可(6,000円)を取得しておくのが無難です。最大5年有効で、その期間中なら何度でも出帰国できます。在外公館(大使館・領事館)で1年延長することも可能なので、最大6年間カバーできる計算です。
よくある誤解:再入国制度で外国人が混乱するポイント
誤解①:「在留カードがあれば自動的に再入国できる」→ 違います
多くの方が誤解していますが、在留カードを持っていても「みなし再入国チェック」を出国時にしないと再入国できません。「私は永住者だから大丈夫」と思って出国し、再入国を拒否されたケースが毎年起きています。チェックを忘れたら、もう日本に戻る前に在外公館で「在留資格認定証明書」を取り直すしかありません。
誤解②:「永住者ならどれだけ海外にいてもOK」→ 1年で資格喪失
永住資格保有者であっても、みなし再入国は1年、通常再入国(数次)は最大5年で同じです。永住資格は「日本に住み続ける」ことが前提なので、長期間日本を離れると資格を失います。永住者でも海外滞在予定が1年を超えるなら、必ず通常の再入国許可を申請してください。
誤解③:「みなし再入国は何度でも出国できる」→ 期限内なら回数制限なし
これは正しい理解です。みなし再入国の有効期間内(出国から1年以内)なら、何度出帰国しても問題ありません。短期出張が多いビジネスパーソンには使い勝手の良い制度です。
誤解④:「子どものパスポートは必要ない」→ 子どもも在留カードが必要
16歳未満の子どもは在留カードの代わりに「在留カードに準ずるもの」を所持する必要があります。家族滞在で来日した子どもの再入国も同じルールが適用されるので、出国前に在留カードと在留資格認定証明書を確認しておきましょう。
注意点・デメリット:制度を使うときに気をつけたいこと
注意①:航空会社のシステムに引っかかる場合がある
みなし再入国で日本を出ても、航空会社のチェックインシステムが「日本帰国にビザが必要」と判断してチェックインを拒否されることがあります。在留カードを必ず提示し、対応に時間がかかる場合は航空会社のスーパーバイザーを呼んでもらいましょう。
注意②:在外公館での延長申請には時間がかかる
通常の再入国許可で海外滞在中に1年延長したい場合、現地の日本大使館・領事館で申請しますが、混雑期は2〜4週間かかります。期限ギリギリで申請せず、余裕をもって動いてください。
注意③:短期滞在(観光ビザ)には使えない
みなし再入国も通常の再入国も、対象は中長期在留者のみです。短期滞在ビザ・特定活動90日などは対象外です。観光で来日中の方には別の制度(査証免除など)が適用されます。
シーン別:あなたが取るべき選択肢
📅 ケース別 推奨手続き
1週間の旅行
→ みなし再入国(無料・チェックのみ)
3ヶ月の語学留学
→ みなし再入国でOK
9ヶ月の海外赴任
→ みなし再入国でOK(在留期限要確認)
2年の留学
→ 通常の数次再入国許可(6,000円・最大5年有効)
期限ギリギリの帰省
→ 数次再入国+海外で1年延長申請も検討
実用Tips:手続きを失敗しないコツ
Tip①:出国の3日前までに在留カードの有効期限を確認
在留カードの有効期限が切れていると、みなし再入国そのものができません。在留期間更新は有効期限の3ヶ月前から申請可能です。出国前に期限切れにならないよう注意しましょう。
Tip②:マイナンバーカードと住民票をチェック
長期出国する場合、住民税の支払いや国民健康保険の手続きを区役所で行う必要があります。「転出届」を出さずに長期不在になると、税の追加課金や保険の解除が発生する場合があります。
Tip③:パスポートの有効期限が出国時から6ヶ月以上あるか確認
多くの国でパスポート残存有効期間6ヶ月ルールがあります。出国先の国の入国要件と、再入国時の航空会社チェックインルールの両方を満たす必要があります。
よくある質問(FAQ)
Q1:みなし再入国の有効期限を過ぎてしまった。どうすれば?
残念ながら、在留資格は失効しています。再び日本に住むには、在外公館で「在留資格認定証明書(COE)」を取り直す必要があります。手続きには2〜3ヶ月かかるのが一般的です。期限を絶対に過ぎないようにしてください。
Q2:ED出国カードのチェックを忘れた。どうすれば?
気付いた時点で、まだ日本を出ていなければ入国審査官に申し出てください。すでに日本を離れた場合は、在外公館で「在留資格認定証明書」を取り直すか、新規ビザを申請するしかありません。
Q3:通常の再入国許可は本人以外でも申請できる?
16歳未満は親等の代理申請が可能ですが、本人が16歳以上の場合は原則として本人申請です。やむを得ない場合(病気・出張)は取次申請を行政書士に依頼することもできます。
Q4:転職・転居した場合は再申請が必要?
再入国許可自体は転職・転居で変更されません。ただし住居地変更届(14日以内)と、勤務先変更時の「契約機関に関する届出」(14日以内)は別途必要です。
Q5:海外で病気で帰れない。みなし再入国の延長はできる?
みなし再入国は延長できません。1年以内の海外滞在予定でも、不安があれば最初から通常の数次再入国許可を取得しておくことをおすすめします。それなら在外公館で1年の延長申請が可能です。
📚 参考文献・出典
- ・出入国在留管理庁「再入国許可」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/
- ・出入国在留管理庁「みなし再入国許可」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/
- ・法務省「令和7年6月末現在における在留外国人数について」 https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/
- ・出入国在留管理庁 各地方局案内 https://www.moj.go.jp/isa/about/region/
- ・在留資格認定証明書(COE)について https://www.moj.go.jp/isa/applications/
まとめ
- 日本の再入国制度はみなし再入国(無料・1年以内)と通常の再入国許可(3,000円/6,000円・最大5年)の2種類。
- みなし再入国は出国時にED出国カードのチェックを忘れずに。
- 有効期限は「出国日+1年」と「在留期限」の早い方。
- 1日でも期限を過ぎると在留資格を失い、再びCOEを取り直す必要が出る。
- 長期出張・留学で1年を超える可能性があれば、最初から数次再入国許可(6,000円)を取得しておくと安心。
- 在留カード・パスポート・収入印紙を揃えて、住居地管轄の地方入管で当日申請可能。
- 転職・転居は再入国許可とは別の届出が14日以内に必要。
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