縁の下の力持ち!?特撮を支えるスーツアクターの苦労話!

縁の下の力持ち!?特撮を支えるスーツアクターの苦労話!
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こんにちは、ぐっちーです。

今や日本のサブカルチャーを代表する存在となった「特撮」。皆さんは特撮と聞いたら何を思い浮かべますか?町を破壊する怪獣?怪獣と戦う巨大ヒーロー?それとも悪の怪人を退治する正義のヒーロー?

色々と思い浮かべる方も多いと思いますが、そんな特撮キャラクター達を陰で支える人たちがいるんです。それが、「スーツアクター」と呼ばれるスタント俳優さん達なんです。

CGが支流となっている現代においても、ウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズ等の特撮ヒーロー番組では、今でも着ぐるみを使った撮影が行われており、今や日本の伝統文化ともいうべき着ぐるみ特撮を支え続けています。そんな着ぐるみ特撮ですが、実は常に危険と隣り合わせだというのをご存じでしょうか?特に昔の撮影では、スーツアクターさんが死にかけたことさえあったんです。

今回は、そんな過酷な着ぐるみ特撮を支えるスーツアクターさんについてご紹介したいと思います。これを読めば、特撮を見る目が大分変ると思いますよ。

実は想像以上に過酷な着ぐるみの中身

実は想像以上に過酷な着ぐるみの中身
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「着ぐるみ」という緩そうな響きから、何となく簡単に出来そうなイメージが思い浮かぶかと思いますが、実は着ぐるみの中って想像以上に過酷なんです。

ステージショーなどで使用されるものなら兎も角、撮影用の着ぐるみとなると、爆破や激しいアクション等に耐えられるように頑丈に作る必要があるため、重くて動きづらくなってしまうんです。現在では素材の進化も相まって、昔と比較して大分軽量化されてはいますが、それでも着用前に比べて動きが制限されることには変わりなく、激しいアクションも要求されるため、スーツアクターさんは常に汗だくになるんです。

更に、怪獣の着ぐるみの場合は数人がかりでの助けが必要なうえ、基本的に背中から入る都合上、一度着用すると自分では脱ぐことが出来なくなります。また、顔を隠す必要があるため視界が限られ、小さな覗き穴だけが頼りになるます。その為、着ぐるみの内部は真っ暗で、人によっては閉所恐怖症になりかねない環境下なんです。

密閉された着ぐるみの中での孤独

密閉された着ぐるみの中での孤独
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「縫いぐるみの中に入った時の孤独感って物凄いんですよ。誰とも話が出来なくなってしまい、完全に世界から自分一人だけが切り離された感覚になるんです」

嘗て「ウルトラマンレオ」で、主役のウルトラマンレオを演じた二家本辰巳さんは、そんな風に語っています。着ぐるみの中は基本的に密閉され、自分では着脱も出来ないため、スーツアクターさんは常に真っ暗な状況下での孤独感に曝されることになります。撮影時にアクションしている時はまだ良いそうですが、撮影待ちの時は気が紛れずに大変だそうです。二家本さんの場合は、黙っていると落ち込むので、歌ったり喋ったりして気を紛らわしたそうです。

なら、ウルトラマンのようなウェットスーツなら比較的楽なのかというと、それがそうでもないらしく、二家本さんが言うには「怪獣と比較して確かに重くはなかったけど、肌にピタッとくるような密着感のせいで皮膚呼吸が出来なくなるような感覚になり、かえって怪獣の時より落ち込むことがある」とのことで、どちらにせよ着ぐるみの中の孤独感は変わらないそうです。

そんな過酷な状況下の中でも、スーツアクターさんたちは怪獣や怪人、変身ヒーローを演じているのです。

死と隣り合わせ!?撮影時に発生したアクシデント!

死と隣り合わせ!?撮影時に発生したアクシデント!
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こんな風に、毎日大変な思いをしながら撮影に勤しむスーツアクターさんですが、撮影時は激しいアクションに加えて、爆破などの危険なシーンも撮るわけですから、常に危険と隣り合わせなんです。

また、昔は今と違ってCGも無く、爆破や火災のシーンなんかも、ある程度はCGや合成で処理できる現代と違い、実際に現実で撮影する必要があったため、今以上に過酷で、時にはスーツアクターさんが危うく死にかけた事故もあったんです。

そんな、時には死と隣り合わせだった撮影現場で起きた事故を、幾つかご紹介します。

怪我に溺水!?「キングコング対ゴジラ」

1962年に公開され、大ヒットを飛ばした「キングコング対ゴジラ」。日米を代表する怪獣同士の対決を描いた本作ですが、二大怪獣による激しい死闘故に撮影も命がけ。

撮影中に足に着ぐるみ内部の金網が刺さる等のアクシデントなんて日常茶飯事で、映画のクライマックスで二体がもみ合いの末に海へと飛び込むシーンでは、ゴジラを演じていた中島春雄さんが溺れかけたと言います。重い着ぐるみに入っての撮影でしたから、思うように起き上がれない上に、着ぐるみが大量の水を吸ってしまったため、更に重くなってしまったのです。

一歩間違えれば溺死しかねないアクシデントでしたが、間一髪救出されました。

あわや火だるま!?「シルバー仮面」

1971年に放送された特撮ヒーロー番組「シルバー仮面」。

その第一話に登場する敵キャラクター「チグリス星人」が、劇中クライマックスで炎上して最後を迎えるシーンが撮影されたのですが、なんと着ぐるみ内部に仕込まれた火薬が逆流し、本当に着ぐるみが炎上してしまったのです。

助監督だった実装時昭雄さんは、その様子を見て迫真の演技だと勘違いして、事故だと気づかなかったそうです。中にいた戸知章二さんは、結果として足に大やけどを負ってしまいましたが、命に別状はなかったそうです。結果としては着ぐるみが使い物にならなくなってしまい、その後はかろうじて残った頭部のみで撮影することになったのです。

今以上に火薬を使っていた時代には、こんなアクシデントもあったのです。

シリーズ最重量!?「ゴジラvsデストロイア」

1995年に公開された「ゴジラvsデストロイア」は、平成vsシリーズの最終章として制作された作品。

この作品最大の目玉は、何といっても「赤く発行するゴジラ」。メルトダウンで肉体が限界を迎えつつあることを表現するために、スーツの発行部分には860個もの電球が使用され、更には表面にはFRP樹脂を使ったことにより、その重量は何と100㎏を超えるものとなりました。ただでさえシリーズでも最重量ともいうべき着ぐるみなのに、内部の電球や装置を起動させるためのケーブルを繋いでいるため、動きは散漫なものになってしまい、要所要所で早回しして撮影されました。

当然ながら、そんな着ぐるみを着用しての演技は、想像を絶するほどに過酷なものとなり、平成ゴジラを演じてきた薩摩剣八郎さんは、演出用の炭酸ガスで酸欠を起こして気絶したり、電飾が漏電したことで感電したりと、何度も死にかけたとのことです。

劇中でのゴジラの様子は壮絶でしたが、中にいた人にとっても苛烈な世界だったのです。

今も撮影で戦い続けるスーツアクター

今も撮影で戦い続けるスーツアクター
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いかがでしたか?劇中では豪快な暴れぶりや、華やかな活躍を見せてくれる怪獣や怪人、変身ヒーロー達。でも、その裏では、そんなキャラクター達を演じるために、日夜危険と隣り合わせの撮影現場で必死に戦うスーツアクターさん達の努力と苦労があるのです。

今度、テレビや映画で特撮を観るときに、そんな彼らの苦闘を想像しながらご覧になってみてはいかがでしょうか?きっと、特撮を見る目が違ってくるはずです。

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