こんにちは、ぐっちーです。
日本のカルチャーを世界に伝えるブログを運営しています。
僕は日本人ですが、海外の友人に「ドラえもんは知ってるけど、それ以外はよく知らない」と言われるたび、心の中で「もったいない…!」と叫びたくなるんです。
なぜなら、藤子・F・不二雄の真の凄みは、子どもの夢と、大人の現実を、同時に描き切ることができたところにあるから。
そしてその集大成が、実はあまり知られていない「SF短編集」シリーズ。
この短編集は、僕の人生観を変えました。
読後、しばらく言葉が出なかった。
それほど強く、深く、心に刺さったんです。
今回は、海外の読者にこそ読んでほしい5作を厳選してご紹介します。
前回に負けず劣らない、珠玉の作品ばかりですよ。
🧨 1. マイシェルター

家庭の幸せ vs. 世界の終わり──それでも、あなたは信じられますか?
朝から晩まで働く平凡なサラリーマン。夢は、妻と子供二人のためのマイホーム。
ある晩、行きつけの居酒屋で声をかけてきたのは、胡散臭いスーツの男。
彼が勧めてきたのは、“夢の家”ではなく、「終末から家族を守る」マイ・シェルターだった。
「核戦争なんてあるわけない」――そう笑い飛ばした主人公だったが、
その夜、リアルすぎる悪夢を見てしまう。家が焼かれ、妻や子が泣き叫ぶ…。
眠れない夜、ふと開いたパンフレット。「箱舟」という名前が、妙に心に残る。
果たして家族の未来を守るのは、暖かい食卓か、鉄の地下室か――。
「平和とは幻想なのか?」という問いが、静かに突き刺さる傑作。
🤖 2. 鉄人をひろったよ

巨大ロボットが“落し物”だった夜──巨大ロボットは扱いに困る?
終電帰りの夜道、年配のサラリーマンがふと出会ったのは、奇妙な男。
「これを…預かってくれ!」と突然渡されたのは、リモコンのような機械。
訳もわからぬまま男は姿を消し、困った主人公はボタンを押してしまう。
すると、轟音とともに空から降ってきたのは──超巨大ロボット「鉄人」!
「贅沢なおもちゃだなぁ…」と感心する主人公。
だが、リモコンを持っていたせいか、何と自宅まで鉄人がやってきてしまう。
「これ、どうする?」と、家で妻と深夜の夫婦会議。
折角手に入れた巨大ロボットだが、置き場やら扱いやら、用途に困るばかり…。
結局、主人公が下した決断とは…?
「強大な力を手にしても扱いに困る」という皮肉が、しみじみと心に残る1話。
子どもの頃に一度は思い描いたヒーローに巨大ロボット…。
でも、実際にそんな力を手に入れても、平和な日常では使い道なんてありませんよね(汗)
☄️ 3. 箱舟はいっぱい

もしも、人類滅亡が迫っていると知ったら?──迫られる決断。
借家暮らしの大山は、隣人・細田から突然の持ちかけを受ける。
「急に金が要る。500万円で家を買わないか?」
条件が良すぎる話だが、喜んで契約した大山。ついに念願の持ち家だ。
だがその夜、家に現れたスーツ姿の男。「ノア機構です」と名乗る彼は、
まるで地球を離れる“選ばれし人”への説明をしているかのようなことを話す。
だが、途中で家を間違えたと気づき、焦って退散する。
次第に広がる「彗星接近」の噂。
地球の終わりに向けた“限られた人間だけの脱出計画”があるのではないか――。
ふとテレビをつけた瞬間、彼の目に飛び込んだものとは…!?
もしも、人類滅亡が避けられないとしたら…?
たった一つだけ助かる方法があるとしたら…?
その時に、隣人や友達を見捨てることになったら…?
自分だけが助かるべきか?それとも隣人と共に死を選ぶのか?
読んでいて色々と考えさせられました。
そして、最後には更なる衝撃的な真実と結末が…。
🧬 4. 自分会議

未来の“自分たち”が口論してる──誰の人生を、信じればいいのか?
上京したての主人公の「ぼく」。安アパートでの一人暮らしが始まったばかり。
だが、ある日、部屋に突然やってきたのは──未来の自分。
「君はもうすぐ、時価3億円の山林の相続人になる。そいつを僕に預けてくれ」と助言してくる。
驚いていると、今度は23年後、33年後の“自分たち”が次々と現れ、
「自分に預けろ」「いやいや、自分に預けてくれ」と激しい口論に。
それぞれが財産を巡って醜い口論を繰り広げ、
ついには幼少期の「ぼく」まで呼び出され、混沌のカオス会議が始まる。
「大人になればなるほど、どんどん醜い価値観に染まっていく」
そんな皮肉と悲哀を、これでもかと叩きつけてくる。
そんな果てしないエゴ剥き出しの争いの果てに、絶望した「ぼく」は…。
未来の自分の醜い有様を知ってしまったら、自分でも絶望しそうです…(泣)
🏜️ 5. あのバカは荒野を目指す

過去の「若気の至り」──だがそれは、余りにも眩しかった。
年の瀬の夜。ルポライターが取材したホームレスの男は、言った。
「今日、あのバカに会いに行く。もし止められたら、俺の人生は変わる」
その瞬間、男の姿がかき消えた――
辿り着いたのは、27年前のある日。
大企業の御曹司だった“若い自分”が、恋人と駆け落ちをしようとしていたその夜だった。
今の自分は、あの日の決断で全てを失った。
だから、止めたい。でも、その時の自分は、まっすぐで、バカで、眩しくて…。
若気の至りを正したい主人公。
でも、あの頃の自分は、余りにも熱くて、燃え上がっていた…。
そんなかつての自分に逆に感化された主人公は…。
最後の一コマで、涙が出る。
静かで、でも猛烈にエモいタイムトラベルSFの金字塔。
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